尾崎未来・BEAT-POP・SAILORQ2のホームページ BABYPOP

「BABYPOP」は漫画家尾崎未来と個人サークル「BEAT-POP」「SAILORQ2」「完全犯罪(PERFECT CRIME)」の情報発信サイトです。

・9/2(日)こみっく★トレジャー32では 5号館チ19ab「BEAT-POP/立呑屋」でお待ちしています
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C92夏コミお疲れ様でした☆

今年の夏はどうもはっきりしないお天気続きですが、
お陰でコミケでは1~2日目は比較的過ごしやすい気温でしたね(湿度は高かったけど)。
3日目は人数・気温ともウナギ登りで、「さすがコミケ」といった雰囲気でした。
何はともあれ、当サークルスペースにも多数ご来場頂き、有り難うございました。

新刊案内には「MISS BRAND-NEW DAY」「TUTTI FRUTTI」の2冊をご紹介しました。
どちらもとらのあな様・メロンブックス様にて通販開始していますので、よろしければ御覧下さい。
また、9/3大阪こみっく★トレジャー30「ソ02 BEAT-POP/立呑屋」にも
持って行きますので、こちらに行かれるご予定の方は是非お立ち寄り下さい♪

また、「やっぱり紙の単行本でまとめて読むのがいい」という皆様、お待たせしました♪
放課後ラブモード」8/10より各書店にて発売中です。
とらのあな様ではおまけで「両面描き下ろしイラストカード」が付きますので、
ご希望の方はお早めにお求め下さい☆

9月以降も商業誌・同人誌ともに新作予定してますので
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m &お楽しみに~☆

お知らせいろいろ・・・たくさんありすぎ!

迷走大迷惑台風5号がなんとか過ぎ去って、夏の一大イベントはどうやら
いつも通り酷暑になりそうな今年の夏ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
ここの所、妙に忙しい日々が続き、当ホームページや
BLOGの更新もままなりませんでしたので、ここいらでやっとこさ、まとめてお知らせです!

その①:もちろん夏コミ☆
今年も無事スペースを頂けました。
参加日程
8/11(金)東M21ab「SAILORQ2/立呑屋」
8/13(日)東ネ29a「BEAT-POP」
頒布内容:今年もデレマスです♪
 
・新刊「MISS BRAND-NEW DAY」(新田美波)
 
セット販売:飛鳥アクリルキーホルダー+ラブライカビニールバッグ
 

 

 

 

・新刊「TUTTI FRUTTI」(大槻唯・喜多見柚)
 
セット販売:唯&柚缶バッジ2ヶセット+パッションクリアファイル
 

 

 

 

・COMIC1・11「ふれていたい」(鷺沢文香)
 
セット販売:文香アクリルキーホルダー
 

 

 

 

・歌姫庭園12「みくみくにゃんにゃん」(前川みく)
 
セット販売:「Cuteアイドル描き下ろしフォトカード」(フレデリカ)
 

 

 

 

・B2サイズタペストリー(ダブルスウェード地)
「美波」「卯月」「とときら」の3種です♪ 数はちょっとだけ・・・
 モニターで見るサンプルより、現物の方が遙かにきれいです☆

 

 

 
その他既刊色々・・・
お品書きは明日upします・・・orz

その②:「放課後ラブモード」単行本8/10に発売です☆
 

 

コアマガジン社様から配信中の「放課後ラブモード〜カレと逢う前に〜」
現在第8話まで公開されていますが、お待たせしました☆
pre版2話を含めて一気に全話まとめて単行本化です♪
また、とらのあな様で御購入頂くと
両面イラストカード(片面カラー・描き下ろし♪)の特典がつきます♪
もちろんお話はまだまだ続きますので、この秋以降の展開もお楽しみに~☆
 

その③:配信いろいろ
あいちゃん最新シリーズ

 
「The Great Escape Extra.1」(#42~#45)
「The Great Escape Extra.2」(#46~#49)
「秘密 The Great Escape」(店長シリーズの単行本化)
それぞれ各電子書籍サイト様から配信中です。
秋以降は「放課後ラブモード 〜カレと逢う前に〜」も連載再開しますし、
あいちゃんの「The Great Escape」シリーズも新作予定してますので、お楽しみに~☆
 

 
その④:9月以降イベント予定
・コミックトレジャー30
 9/30(日)インテックス大阪
 4号館ソ02ab「BEAT-POP/立呑屋」
・COMIC1☆12
 10/15(日)東京ビッグサイト
 東ホール・スペース未定
・もちろんコミックマーケットC93冬コミ
 受かるといいな~

といった感じです☆
それでは会場でお待ちしていま~す♪

4月の新刊はデレマス♪
みく本「みくみくにゃんにゃん」&文香本「ふれていたい」


 

 


 

 


 

 


 

 

うちとしては、割とハイペースに新刊を出してます(^^;)
それぞれとらのあな様にて販売中です m(_ _)m
近日中に配信サイトにもUPしますので、UP次第またお知らせします☆

次の同人誌は夏コミ合わせですので、それまでお待ち下さい♪
グッズも出す予定です♪
何になるのか、お楽しみに・・・(^^)

「放課後ラブモード 〜カレと逢う前に〜」第7話、配信中です♪

いつもご覧頂き、ありがとうございます。
コアマガジン様にて連載中の「放課後ラブモード 〜カレと逢う前に〜」の第7話が
2017年5月より各サイト様より配信中です☆
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

奇数月の配信なので、今月末には第8話を入稿予定・・・
お楽しみに~☆

エロとワイセツとパロディと著作権と私…?

「秘密-The Great Escape-」をたくさんの読者の皆さんにご覧頂き、
誠に有り難うございます。
尾崎未来のtwitter上で少し気になるやりとりが有り、
どうも誤解があるようなので、一言。

「自分はお金がないから無料サイトでダウンロードして読むけど何か?」とか
「二次創作(パロディ同人)をやっている自分の事を棚に上げて、
 自分の作品を無料ダウンロードされて「著作権侵害だ」と文句を言うのは
 筋違いじゃないの?
 だったらあなたの作品で二次創作しても、
 出版社は黙認してくれるんだよね?」
というコメントを、尾崎未来及び出版社様に投稿した方がいました。

!パロディ作品にも著作権はあります。!
もし原著作者側がパロディに対し「著作権侵害」を訴えたとしても、
日本の法律上、パロディ著作者が他者に著作権を侵害されても構わない、
と言う理由にはなりません。

ではなぜ、パロディ作品が著作権侵害を訴えられていないのでしょうか?

著作権侵害が親告罪(被害者が告訴しない限り罪に問えない)である理由の一つに、
実質的被害の多寡に差が大きいと言う事も有り、
全てを一元的に法でくくるには実情に沿わない場合がある、と言う事が挙げられます。
実際、TPP導入にあたって、著作権の非親告化も協議されましたが、
「COOL JAPANコンテンツを推している日本において、
 何でもまとめて著作権侵害にしちゃうと文化そのものの破壊につながる。
 必要な関連法の整備で対応しよう」(←違法ダウンロード法がそれ)
 との見地から、現状では非親告化されない方向となりました。

この時「コミックマーケット」を筆頭とする同人活動に対して
原著作者側である作者・出版社・制作会社側は
「同人」漫画・アニメ・ゲーム・音楽と言ったパロディを含む様々なコンテンツが
「公式」と協力ないし友好的に作品全体を盛り上げている今の現状から
厳密な著作権管理にとらわれず、総合的な盛り上がりを重視し
「新たなコンテンツ・クリエイターのゆりかご」として捉え、
過度な規制を加えない流れが作られました。
(じゃなきゃ、コミケでの企業ブースと同人ブースの両立なんて不可能です)
しかし一定のガイドラインは設け、行き過ぎた物に対して
場合によってはそれなりの対処をする、と言う形になっています。

この説明である程度おわかりかと思いますが、
「公式に迷惑をかけるような活動で無く、ファンと共に作品がより盛り上がれるのなら
 公式は敢えて厳しく取り締まらずに、パロディも含め一緒に盛り上げよう」
と言うスタンスを、原著作者側が示しているのが現在なのです。

「艦これ」を例に挙げましょう。
角川ゲームス・DMMから提供されているこのゲーム、
パロディには非常に寛容です(そもそも制作側は「二次創作は制限しない」と宣言していた)。
パロディ同人誌の人気イラスト絵師さんが、公式ガイドブックにイラスト掲載されるなんて事は当たり前。
エロ同人誌の盛り上がりが公式の人気に反映される好循環も出来ています。
しかし、以下の2点では注意が必要。
①同人イベントの艦これブース内ではエロコスプレ及びメディアの販売は禁止。
 現実の人物を使った実写映像でのエロ表現は作品イメージにそぐわない。
②「艦これ」同人販売においてエロパロ同人作品は
 DMM.comサイト内での「艦これ」キーワードでの検索は使えない。
 エロ作品ではない「艦これ」に対し、自社コンテンツ名での検索を
 エロパロ作品に公に認めるわけには(さすがに)いかない。
 ただし「艦これ」をキーワードにしなければOK。←この辺が寛容さを示していますね。
 
「善意による、相互互助関係が成り立っているから、敢えて規制する必要が無い。」
これが現在のパロディ同人に対する原著作者側のスタンスです。
公式を題材に、新たな作品を展開していく事で原作を更に盛り上げる事が
ファンとしてファンブックを作る同人活動の原点だったはず。
この事をパロディ側もきちんと自覚する必要があると思っています。

冒頭の発言に回答するならば
「あなたが当作品に対し、善意と好意からファン活動として二次創作をするならばOKですよ。
 一緒に盛り上げて下さいね。
 でもわざわざ害意を持って作品をおとしめるような行為をするのなら、排除しますよ」
と言う事になります。

他でも書きましたが現状では画像・文章データに対する違法ダウンロード法の適用は残念ながらありません。
しかし、
「原作をベースに新しくパロディを作る」クリエイト行為と
「タダで手に入る方法を見つけた」と言って万引きする行為を
著作権侵害と同列に論じるには値しません。

「罰則がないからやっても構わない」のか、
「読みたい本には正当に対価を払うまっとうな人間である事を選ぶ」のか
よく考えて欲しいと、切に願っています。

・・・あぁっ、ワイセツについて書くの忘れてた!
ま、長くなるからまた次の機会にでも・・・

The Great Escape 第49話、入稿しました♪

長らくお待たせしました m(_ _)m
コアマガジン社から配信されている「web漫画ばんがいち」に連載中の
あいちゃんでお馴染み「The Great Escape」、
最新の第49話を只今入稿しました♪
そして、今回は、何と表紙も描かせて頂いております!
(でも、表紙はあいちゃんじゃナイよ)
3月末に配信されますので、楽しみにしていて下さいね♪

違法アップロードサイト対策って

違法アップロード対策は、個人的には小さな事しか出来ないながら、
削除依頼を出してみたり、正規ダウンロードサイトに登録したり等の対策をとっています。

然し、本当のところは
「自分がアップロードしてやれば皆がタダで本が読める」
等というホワイトナイト気取りの勘違いや
「人気コンテンツを餌に広告料を稼ごう」
といった不届き者達をきちんと排除出来る法体系が整備されなければ
根本的には解決出来ません。

エロ・健全を問わず、オリジナル作品は勿論、
パロディ作品にもそれを描いた本人の著作権が正当に存在します。
「A」という作品に対するパロディ作品「B」があったとして、
「B」の違法コピー「C」に対して、著作権の侵害を「B」が訴える事は正当な事なのです。
(この場合「B」に対して「A」の著作権侵害を訴えるか否かは
「A」の著作権元の意思に委ねられます。
日本では現在同人誌界が出版業界の「卵・ゆりかご」となっているとの認識から、
余程原著作者に損害を与えるような事がなければ、
現状訴えられるような例はほぼありません。お互いを認め共存している訳ですね)

然しこの事に自信を持って「YES」と言えない人が多いのも事実で、
そのせいもあって同人誌の作家は泣き寝入りがとても多いわけですが、
商業誌・同人誌を問わず、
「描いても(作っても)売れない自分の本が、違法サイトで何万本もダウンロードされてた」
という類いの話を耳にする事が特に多くなった咋今、
このままでは作家の新しい作品を作る意欲が弱くなり
これほど大きく育った日本の文字・漫画コンテンツが縮小してしまうのではないかという
危惧を抱かざるを得ないのです。

デフレが既に当たり前となって
「安ければ正義、タダが最高」になってしまった今の日本の価値観が
物事への正当な評価・対価をおかしくしているんじゃないかとは思います。
作家の努力を考慮に入れず、「無料サイトでいつも読んでいます」と
平気で言える人達のモラルを問うのは勿論ですが、それを止めさせるには
やはり蛇口であるアップロード側を法的に取り締まらなければなりません。

同人誌はもちろん、商業出版誌ですら違法アップロードで溢れているにも拘わらず、
それを業界横断的に統一して取り締まり、著作権保護活動を行う組織が
日本の文字・漫画の出版業界には現在ありません。
日本では音楽・映像(アニメ含む)の動的コンテンツでは機能しているのに、
小説や雑誌、漫画などの静的コンテンツの出版物分野の法整備が絶望的に欠落しています。
(海外(特に欧米)では、先頃TPP交渉を巡って取り沙汰されたように、
出版物に対してもしっかりとした権利保護がされているというのに・・・)
これは著作権の行使者は誰なのかを巡って意見が統一されていない事が一因なのです。
具体的には、
①著作者が直接行使するべきなのか、
②著作権を委任された出版社が代行するべきなのか、
③その場合原著作者に対して出版社は
a:どこまで著作者の権利を代行すべきなのか
b:どこまで出版社の権利を主張出来るのか
(出版社は著作者の単なる代理人ではない、出版社にも利益は必要)
等を巡って業界内で意見が割れています。
そして自分たちを追求する相手がいない事をいい事に、
「コンテンツに対価を払う義務はない」
「自分たちの行為は正当で犯罪ではない」
等と公言する違法サイトすら有るのです。

「違法アップロード・ダウンロードをすることは、結果として読み手の損にしかならない」
という真実を認識し啓蒙していく現実的な方法を、いつも思案してしまいます。
同人誌界・一般出版界を代表する権利保護団体の設立は不可能なんでしょうかね?
(JASRACみたいに、権利保護団体のための利権確保ではダメですがwww)

「正規ダウンロードサイト連合による営利団体+国内プロバイダ連盟+出版業界&著作者」で
違法ダウンロードサイトの締め出しって、出来ませんか???
(サイトアクセスのブロック…ほら、プロバイダレベルで
違法児童ポルノサイトに対してやってますよね)
各正規ダウンロードサイトは出版社または著作者からコンテンツを委託され、
各プロバイダは正規ダウンロードサイトからの自社への広告料を得ているわけですから、
タダでコンテンツを取り扱っている違法サイトは排除してしかるべきかと思うのですが。
(もっとも、その違法サイトから多額の広告料を得ているとしたら
そうではないかもしれませんが、それではコンプライアンスに欠ける企業として、
社会通念上理解は得られないでしょう。)
法整備が出来て無くても、利益団体に対して損害を与える相手には、
社会正義に貢献する事による自社への評価の向上をも、敢えて損得ベースで考えて、
利益追求のための最善の手段を採ればいいのではないのかな、
と思うのですが、いかがでしょう?
皆で組めば、
「利害の一致・利益の分配・読者への啓蒙」が
WIN-WINで出来そうに思うんですが・・・

ね?

定額配信・違法配信・読み放題サービス

「漫画・コミック」についてだけど、ちょっと知っておいて欲しい事があります。
多分ほかのジャンルでも、制作者側なら誰でも思っている事。
描いている側からの意見として知っていて、分かって欲しい事です。
出版業界が印刷から配信へ、大きく舵を切ろうとしている今だから、読者に気にして欲しい事です。

今この時代に、ネット上には「漫画読み放題・無料」と称して、
著作者や出版社が許可をしていない違法な読み放題サイトがあふれています。
読者側にしてみれば「本なんてコンビニや本屋に行けばタダで立ち読みできるんだから、
ネットで無料配信してるなんて今更何に目くじら立ててるんだ」と思われるでしょう。

これまで、例え立ち読みをしても本当に欲しい本はお金を払って手に入れていましたよね?
けれどネットの違法配信では、人目も時間も気にすることもなく、
欲しいだけ全てを手に入れることが出来てしまいます。

では違法配信「元」はなぜタダでそんなサービスしているのかって?
人気のコンテンツによってそのサイトビューをあげれば広告料が手に入る
=国内の広域指定○○団や、海外から日本の金を吸い上げたい人たちが
濡れ手に粟で大喜びして運営しているんですよ。
ちなみに最大手と2番手の違法配信サイトのサイトビュー数は、
「Yahoo!」をトップとする日本のランキングのベスト10に入っています。

しかし、それを描いている側は、「描く」ことで「生活の糧」を得ている「人間」なんです。
自分の能力を目一杯使って、一本の作品を作っている、あなたと同じ人間です。
それが例え原稿料が安くても、自費出版で赤字になってしまうレベルの同人誌でも、
世界で何億冊が売れる単行本でも、描き手はあなたと同じ、ご飯を食べて生活をしている人間です。
どれだけ自分の本が売れたかによって自分の生活が潤い、それが次の作品へのモチベーションになる。
あなたが「読んでみようかな」と思う作品を作り出すのは、クラウドアプリでもボットでもなく、
間違いなく努力を惜しまない「人間」なんです。

加えて出版社は、そんな描き手のモチベーションを維持する為に
対価として原稿料を払い、権利を守る努力をしています。

しかし「違法配信をしている側」や
それを「タダで手に入れること(それに罪悪感を感じていてもいなくても)をいとわない人たち」によって、
作り手側の「生活の糧」は減り続けています(実際に作家活動を維持できなくなる人がいるんです)。
それはすなわち描き手のモチベーションが下がっている事に他なりません。

「これ以上頑張っても生活できない」と、たくさんの描き手のモチベーションが下がりきり、
新しい作品が生まれなくなるかもしれない。

「そんな事は読み手側の知ったこっちゃない」
「自分は読みたい本が読めさえすればタダがいいに決まってる」
あなたはそれを罪悪感なく正しいことと言い切れますか?

作り手側は今の時代に自身を守る為に、
出版社や正式に購読料を支払ってくれる配信会社と共存の道を探っています。

同人誌を作っている個人作家には、
「違法配信元を監視し削除申請を行うサービス」を提供する正規配信会社への登録という道が開けました。

そして「定額配信・読み放題サービス」が
これから多くの作家に多大な恩恵をもたらすであろうと思います。
一人一人のコンテンツ頼みの単品販売だけでは現在の有名作家は生き残れても、
これから出てくる作家や新たなアイディアで再チャレンジしようとしている作家は
切り捨てられてしまいます。
しかし切り捨てられそうなその中にあなたが「これ読んどけば良かった」と
後悔するほどの作品が生まれる可能性は、決して低くはありません。

弱肉強食の漫画・コミックの世界でも、全くの最初からの強者はほぼいないのです。
だから弱者を大切に育てていく中で、伸びていく芽が見つかるのです。
印刷物が主流の時代は、週刊・月刊などの各漫画雑誌がそれらの育成畑の役割を果たしていました。
しかしこれからの配信中心の時代ではその役割を担うのは
「定額配信・読み放題サービス」になるのではないでしょうか。

このサービスのメリットには「コンテンツの保護」と「最低限の成果の保証」があげられます。
「コンテンツの保護」は「違法配信元を監視し削除申請を行うサービス」にほぼ等しい物です。
個人では交渉が難しい違法配信に対する削除申請を企業単位で行うという事です。
「最低限の成果の保証」は、「読み放題サービス」コンテンツに含まれた作品の作者には
その全体の売上がそれをまかなえる程度にプラスで有る限り、原稿料が与えられます。
また、次の作品を描くチャンスが出来ます。
(もちろん個別の売上が低すぎる場合はその限りではありませんが。)

ただ、そのサービスを新たに各出版社で立ち上げるには相当なコストがかかります。
おまけにそれぞれの出版社がおのおの勝手に立ち上げても先細りで個別撃破です。
しかしネット販売の場さえあれば、新規作品の収穫も望めるのです。

そこにアマゾンから魅力的なコンテンツが立ち上がりました。

「うちのコンテンツに客を誘導してくれるなら、
新規で立ち上げる読み放題サービスに参加してはいかがですか?
サービスの宣伝料としてうちの取り分大バーゲン(期間限定で)しちゃいますから」

もちろん出版社にとっては純粋に新たな販路拡大を狙っての事です。
企業なんですから利益追求は当然です。
ネット出版の巨人、アマゾン「Kindle Unlimited」を橋頭堡として、
ネット配信での安定基盤を構築できると踏んだわけですね。
しかし漫画・コミックの出版社は、これまで述べてきた使命感や期待値も一緒に
「Kindle Unlimited」に託した側面があります。
そりゃ「巨人アマゾンに逆らってまで違法配信しないだろう」位は思うでしょう。

ところが、人気の雑誌を投入して「さあこれからウェブコンテンツを育てよう」
又は「ウェブに移行しよう」という時に
「取り分の見積もり間違えたんで、うちが損するコンテンツは外させてもらったから。」
と一方的にアマゾンから通達されたわけです。

「アマゾンが日本の市場を読み間違えて青天井な支払額を設定したのが間違い」
という報道もされており、全くその通りだとは思います。
しかし、アマゾンに寄りかかってしまった出版業界の非も、自身に認めてもらいたいものです。

ではこれからどうやって違法配信の魔の手から
描き手と漫画・コミックの文化を守っていけば良いのでしょうか。

実は実効力の有無という意味では、
日本には音楽や動画・アニメの違法配信を禁じる法律はあっても

漫画・コミックの違法配信を禁じる法律は有りません!

何と、そこから!? ・・・実はそうなんです。
業界間の連携のとれなさ、著作権の委託、等々・・・
法律一つ作るだけで保護される作り手の権利が、守られていないのが現状です。

実は出版業界は音楽・映像業界と比べて、違法配信に対する啓蒙活動を
全くと言っていいほど行っていません。
何故か?

・・・「違法配信禁止を声高に叫ぶと、それを知らなかった人たちが、
『タダで手に入るならタダがいい!』って言ってそっちに流れるのが怖いから」
・・・「騒ぐよりは寝た子を起こすな。」
なんです。

これが業界がまとまって啓蒙活動に踏み切れない原因なんです。
何てこったい!
本末転倒も甚だしい。
・・・ならば今できる事は何か?

それでも業界間の協力と、できる限り最大手の配信サイトとの
「定額配信・読み放題サービス」の構築だと思うのです。

自身の利益を妨害する違法配信サイトに対し、正規配信サイトは
出版業界間のしがらみなく、自身の利益を守る為
「違法配信禁止」を声高に発し続けるでしょう。
それが啓蒙につながります。

「万引きはダメ、法律で禁じられてるんだよ!」と言われて
「へー、万引きっていうものがあるんだ、じゃあやってみよう」
と、そこまでする人がどれだけいますか?(・・・そりゃ、いないとは言わないけど)
そこまで日本国民は馬鹿で無責任で自己中ではないと、信じています。

そして、それでも著作者を守る為に議員立法を訴えて
出版業界の有志が陳情を繰り返している事実はあるのです。
その為に動いている国会議員も少なからずいるのです。
皆さん、「選挙権」無駄にしないで下さい。

ちょっとだけ、色々首を突っ込んだせいで、
ちょっとだけ、内側を知ってしまいました。

でも、「クールジャパン」なんて聞き心地のいい言葉だけで
「日本の漫画・コミック文化は世界に誇れるものだ!」なんて
安易に思わないで欲しいのです。
みんなで、今の状況に少しでも危機感を持って欲しい・・・
そんな気持ちでこんな長文を書きました。

この文章は著作権フリーです。
最後までお読み頂き、有り難うございました。

記、サークル管理人